財布やキーケースがエレガントに輝く|こだわりの素材紹介 YKK EXCELLA
財布やキーケース、バッグはデザインや革の生地に注目が集まりますが、CxC Leatherのアイテムを語る上で欠かせない存在、忘れてはいけない存在があります。
周囲を見渡すと、それは皆さんの身の回りに当然のように存在します。
遠く離れた宇宙で飛行士が着る作業服から、いま私たちが履いているジーンズまで大活躍。
スライダーを引っぱりながら、2列の小さな歯を噛み合わせ、開いた部分を閉じる。
世界中の誰もが、世界中どこへ行っても、この一連の作業を繰り返しているのではないでしょうか。
そんな主役級の働きをしてくれる弊社のこだわり素材はファスナー。
弊社ではあらゆるアイテムにYKK社のファスナーを使用しています。ファスナーなんて金属品、大体どれも一緒じゃないのと思われがちですが、それは違います。
ここでは、あまり語られることのないファスナーにスポットを当ててみたいと思います。
世界のYKK
YKK。ワイケーケーと呼びますが、れっきとした日本の企業です。
皆さんはYKKが何の略なのかご存知ですか?
吉田(Y)工業(K)株式会社(K)と社名の頭を取ってYKKと名付けられています。
きっと会社の歴史や沿革に思い入れがあって、YKKと名付けたんだろうと私も思っておりましたので、和風な社名の略称であることを知った時は拍子抜けしてしまいました。
しかし、世界中のブランド、メーカーに認められて今では全世界で45%以上のシェアを誇り、ファスナー業界では世界No.1企業となります。
1934年創業で当初はファスナー用部品を仕入れて加工をする小さな会社から始まりました。
YKKの名前が世界中に広まるきっかけとなったのが1970年代のアメリカ市場、特にジーンズ3大ブランド(リーバイス、リー、ラングラー)のファスナーに採用されたのがきっかけです。
それまではアメリカ製のファスナーに全く歯が経たなかった、話にならなかったといいます。
1960年代まで業界で絶大なシェアを誇っていたのはファスナーを最初に開発したアメリカのTALON社(タロン社)。古着好きなお客様であれば一度は耳にしたことがあるかもしれません。
様々な名品を生み出した会社で、世界のファスナーの原型は、ほとんどタロン社の影響を受けており、ファスナーのリーディングカンパニーだったように、長きにわたって世界のトップ企業として支配的なシェアを誇っていました。
このタロン社の牙城を崩したのがYKKです。
タロン社はファスナーを開発した会社として、市場を独占していたことから、栄光に胡坐をかいてしまい、生産性向上の努力やバッグ、アウトドアなど衣料品以外の市場に目を向けることがなく、新たな時代への変化を求めることがなかったそうです。
そんな時代背景の中、YKKは一つ一つの部品をチェックして、何度も実験を繰り返し、数年かけてタロン社を超える製品を作り出したのです。
生産効率、品質を高めるための企業努力を重ね、時代の変化に合わせるべく市場のある現地生産にも力を入れ、どんどん国外にも進出をしたところ、ついにそのシェアはタロン社を逆転し、アメリカでも多くの衣料や生活用品にYKK社のファスナーが採用されるようになっていきました。
ファスナー自体は難しいものではなく、構造自体は昔からほとんど変わりません。
筆者は過去に古着屋で勤務していたことがあり、1910年頃のヴィンテージファスナーから現代に至るまでのファスナーを見てきましたが、構造自体は至ってシンプルです。
それでも日本の企業がアメリカの企業を凌駕するに至ったのはちゃんとした理由があります。
アメリカ人と日本人が同じデザインのファスナーを作るとしても、完成後の表情や雰囲気はまったく違うものになります。
日本人が作ったものはどこか品よく仕上がる。
これは日本人のもの作りにおける特徴のひとつであると思っています。
長い歴史と努力によってトップシェアを誇るまでとなったジャパンブランドの底力、それに至るまでのストーリーや品質。
YKK社のファスナーをCxC Leatherのアイテムに採用させていただくきっかけとなりました。
YKKの最高峰ファスナー・エクセラ(EXCELLA)
世界No. 1企業が作る最高峰のファスナーがエクセラ(EXCELLA)です。
YKK株式会社ホームページより引用
フランス語で「〜に優れた」「〜に秀でた」という意味を持ち、YKK社のホームページではファスナーの貴婦人として称されています。
通常の金属ファスナーの3倍以上のコストが発生しますが、弊社ではあらゆるアイテムにYKK社のエクセラ(EXCELLA)を採用しています。
- 輝き
- 両面タイプ
輝き
エクセラのファスナーは金具部分(ムシと呼ばれるエレメント)が量産品のファスナーとは異なり、このムシの一つ一つが丁寧に研磨され、噛み合わせをよくしています。
また本金メッキを施された美しい輝きは通常の金属ファスナーと見比べると一目瞭然。
ファスナー最高峰と語るにふさわしい品質で世界中のブランドで多く採用されているハイエンドファスナーです。
両面タイプ
エクセラは重厚さが高級感を際立たせる両面タイプ、繊細なエレメントの普通タイプの2種類が存在します。
両面タイプは左右どちらからでも開閉ができる作りで、バッグなどの大型商品によく採用されます。
よく見るとムシの両側が削られていて、その分一本一本がしっかりとした太さとなり、金具の輝きが強調されています。
開閉時の滑らかさは購入当初はジジジ…と重厚感を感じるかと思います。金具が太くなる分、必然的に摩擦は大きくなりますが、非常に頑丈で、長年使い続けても壊れる心配はありません。
同時に長年使い込んでいくほど、金具は研磨され、自分の手に馴染みやすくなっていきます。ファスナーを開けるのに少し硬いかな、と違和感がある場合、潤滑油を少し付けると滑りはさらに滑らかになります。
逆に、普通タイプは片面開きでより繊細なイメージで、開きも滑らかなのが特徴です。こちらは財布など小さなサイズの小物に多く使用されます。
CxC Leatherが採用するファスナーのタイプ
CxC Leatherのアイテムは以下のようになっています。
財布、キーケース
CxC Leatherでは主に両面タイプを使用しています。
一部商品では使いやすさを考慮し、普通タイプのファスナーも導入しています。
※両面タイプ、普通タイプが混在しますが、お客様での選択はできません。
バッグ
エクセラ(EXCELLA)は高級金具となり、帆布製のトートバッグに取りつけると、商品に対しファスナーの価格比率が高くなるため、オプションとして使用しているファスナーは、エクセラではなく、YKK社製の金属ファスナーを使用しています。予めご了承ください。
エクセラ(EXCELLA)への弊社の思い
エクセラ(EXCELLA)はやはり輝きが綺麗なファスナーです。
アイテムの使い勝手を左右する重要なパーツで、通常のファスナーに比べてかなり高価な部品となります。
財布やバッグの一般的なメーカー様だと、コストを下げて製作するにはまず、ファスナーのグレードを下げてコストを抑えることから始まり、コストが安いファスナーを使えば、利益を大きくすることも可能かもしれません。
しかし、弊社では厳選した皮革を採用しているからには、ファスナーのような目立たないパーツにこだわってこそ、お客様にとって本当に良い商品になると信じています。
そのため、国内の大手ブランドの既製品と同価格程度、もしくは少し安い程度に価格設定をしています。
CxC Leatherでは展開している革のカラーに合わせて、ファスナー生地を14色、エレメント金具をゴールド or シルバー、計28色、用意しています。
なお、エクセラ(EXCELLA)は専用のスライダー(引き手)が用意されていますが、弊社ではより繊細なイメージを持たせようとスライダー(引き手)はティアドロップタイプを採用しています。
そのため、一目でエクセラ!と気付きにくい密かなこだわりですが、弊社のアイテムを手に取った際は、是非、目を留めてほしいポイントです。
「ラッキーカラーに合わせたアイテムを作る」
「大切な人へプレゼントを贈る」
CxC Leatherではオーダーメイド専門店として、財布やキーケースをはじめ、日々手にするアイテムを多くラインナップしています。
是非、カラーシミュレーションを楽しんでいただき、一般のメーカーでは感じることのできない+αを感じてみてくださいね。
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