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革の紹介② ドイツカーフレザー ワープロラックス

こんにちは。
前回に続き、CxC Leatherで取り扱う皮革について記事を書きたいと思います。

今回ご紹介させて頂くのはワープロラックス(Waprolux)。

ワープロラックスはドイツのタンナー、ワインハイマー社(ワインハイム社 Weinheimer Leder)で作られている最高級のカーフレザーです。ワープロラックスは前回のブログ(※1)でご紹介させて頂きましたブッテーロとは鞣し方から異なる革で、クロム鞣しの革になります。


鞣しとはどういうこと?なんて読むの?


鞣し:なめし と読みます。
皮を革にするということです。
生き物から剥ぎとった皮をそのまま使うと、当然ですが、腐ります。臭いも気になるレベルでは収まりませんし、乾燥するとカチカチに硬くなり柔軟性もなくなります。そのため、腐らないように防腐処理をして、毛抜きの加工を実施することが必要になります。つまり、革として世の中に出回るようになるまでには鞣しをはじめ、複数の工程を要することになります。

その作業をしているのが上に述べたドイツのタンナー、ワインハイマー社。ワープロラックスはクロム鞣しといって、塩基性硫酸クロムという薬品を用いて皮を革へと鞣しています。基本的に洗濯機のような大きなドラムに薬品と革を入れ、ドラムの回転による遠心力で薬品を革に浸透させていきます。なるほど、どおりで鞣す(なめす)とは皮に柔らかくと書いて「鞣す」と書くわけですね。

クロム鞣しについてどのようなものか実際に目で確認してみたい場合、YouTubeによい動画がありましたので参考になさってください。

引用:Make One Leather
引用元:日本タンナーズ協会

タンニン鞣しに比べると時間と手間が少なく、現在流通している革の8~9割がクロム鞣しによって製造されています。ソファや車のシートなど皆さまの身の回りにある革もクロム鞣しです。このように聞くと簡単に量産できる安い革と思われがちですが、全くの誤解です。ワープロラックスは世界の一流ブランドに採用されている最高級の革。クロム鞣しされる革の中でもトップレベルに君臨します。

なぜ、最高級の革なのかその秘密を詳しく書いていきます。


ワンハイマー社のボックスカーフ革の特徴


クロム鞣しを開発した国はドイツ。100年ほど前に開発してから現在まで、技術、生産管理とも世界最高水準の国になります。

そのドイツでもカールフロイデンブルグ社は名門中の名門タンナーで、ボックスカーフという生後3~6ヶ月の仔牛を使った革を扱うことを筆頭に世界の一流有名ブランドで採用されてきましたが、ドイツの環境配慮による制限からクロム鞣しの製造ができなくなり、皮革産業から撤退してしまいました。

カールフロイデンブルグ社はその後、どうなったのか調べてみると、巨大な環境配慮企業になっているようです。歴史・沿革にかつては鞣し革会社だったことが書かれていました。

カールフロイデンブルグ社のホームページ

残されたスタッフ、職人が、カールフロイデンブルグ社の技術と哲学を残すべく、新たに立ち上げたタンナーがいまのワインハイマー社です。そこで新たに開発されたのがワープロラックス。カールフロイデンブルグ社の魅力はワインハイマー社に継承されています。

ワープロラックスに使われている革はカーフと呼ばれる生後6ヶ月までの仔牛。別名としてカーフスキンとも呼ばれます。カーフは成牛と比べ繊維組織が緻密なため、肌がきめ細かく、薄くて柔らかい革になります。仔牛のため、一頭から取れる面積も成牛に比べるととても小さく、流通量も当然少なくなります。そのため、希少性が高く、比例して価格も高騰します。

このカーフという革をクロム鞣しすることによって、伸縮、弾力性がありながら柔軟でソフトな革に仕上げていくのです。

クロム鞣しのほかに、タンニン鞣しのカーフレザーも存在しますが、元々カーフそのものの厚みがなく、繊細な素材となっているため、それを固く繊維の詰まった革に仕上げるのではなく、柔軟でしなやか革で仕上げる手法が向いているため、カーフレザーの鞣しではクロム鞣しが主流となっています。また、タンニン鞣しの革に比べ、吸水性が低く弾力があるため、水や汚れ、傷に強く、用途が広がっていくという特徴があります。そのカーフレザーの表面に型押しを行うことで、より傷や汚れに強い特性へと仕上がり、発色もよくなり、世の中のお客様にとって使いやすい革へと変貌していきます。

美しくて肌触りもよいワープロラックスは上記で述べたように、希少性、その特徴、高級な佇まいからハイブランドの財布や靴などのアイテムに採用されています。買った時の鮮度を長く保つことができる革ということで、いまでは主婦の方、会社員の方など女性を中心に人気の革となっています。

これがワープロラックスが最高級の革といわれている所以です。


幾多もの革の中でなぜワープロラックスを採用したのか


残念なことに、通販サイトを見ていると、現在、多くの制作業者が革を大量生産しながら、雰囲気は高級革に限りなく近づけて作ろうとしたり、高級革を真似ようと合成皮革を作ったりしているため、一見すると違いが分からず、革なんてどれでも同じ雰囲気だと思われがちです。しかし、こうして革がどのようにして作られているのか、どのような歴史があるのか、少しでも知っていただけると、革に対してまた違った見え方になってくると思います。

私も作り手として、革にこだわりを持っており、ヌメ革から入った身でしたので、長らくクロム鞣しの革には縁がありませんでした。弊社でワープロラックスを採用するきっかけとなったのは、商品作りを進める中、お客様からのお声として上がったのが、「変化が少ない革はないか?」というお問い合わせでした。

変化が少なく、傷や汚れに強い革、つまり、クロム鞣し革を探しはじめたのですが、本当にピンキリで多種多様な革が販売されています。弊社採用の判断基準として、第一に最高品質の革であること。第二に実際に自分の手にとってみて質感、発色を確かめ、納得のいく革であること。この2点を重視しながら、革の品質に納得して、採用を決めたのがこのワープロラックスです。

数年前まで「革はやっぱりヌメ革でしょう」と言っていた私ですが、いまではワープロラックスにすっかり魅了されており、私物アイテムの半分以上はワープロラックスで作ったものになっています(笑)


革好きならどこを見るか


革好きのアドバイスになりますが、革の良し悪しの判断材料として、革の裏側(床面)を見る機会があれば是非見ていただきたいと思います。

良い革ほど床面が本当に綺麗です。

弊社で取り扱うブッテーロのようにタンニン鞣しの革は繊維が詰まっていて床面も綺麗な仕上がりとなっていて、そこまでこだわっている本当の革好きのお客様もおられます。タンニン鞣しの革には少々劣りますが、カーフレザーの床面は上質なスウェードのような起毛素材の手触りとなります。

ネット通販など一般的には革の床面なんてあまり見ることはできません。また、多くの制作業者は床面を隠しながらアイテムを仕立てる手法が一般的になっていますが、CxC Leatherでは、財布のマチ部分や手帳型スマホケースにはあえて床面が見える作りを採用しています。革の裏側(床面)こそ本当に良い革というのが分かりますから、お客様に革の本当の魅力を感じてほしいと願っています。

また、ブッテーロとワープロラックスの魅力、特徴を同時に楽しんで頂きたいという弊社の思いとして、外装にワープロラックス、内装にブッテーロを使用したコンビネーション商品をメイン展開しています。それぞれの革の違いを楽しんで頂けると嬉しいです。

※1 革の紹介①イタリアンレザー ブッテーロ

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